同窓生の著作物紹介


本校は多くの著名人を輩出しています。図書館には,そういった同窓生の著作物を集めてコーナーを設けています。 そんな中から次の3名を紹介します。

石川達三
1905・7・2〜1985・1・31(明治38〜昭和60)

秋田県横手市出身
小説家。教師だった父祐助の高梁中学校への転勤に伴って、高梁に移り住み、1919年(大正8)高梁中学校(現高梁高校)に入学。
1935年(昭和10)同人雑誌「星座」に長編『蒼氓』を発表し、第1回芥川賞を受賞、以来活発な作家活動に入る。
『風にそよぐ葦』、『人間の壁』、『悪の愉しさ』、『四十八歳の抵抗』など時代に敏感な作家であるとともに社会的な活動にも広くかかわり、良識ある正義感にもとずいて精力的な活動を行った。『石川達三作品集』(25巻)がある。

米川正夫
1891・11・25〜1965・12・19(明治24〜昭和40)

高梁市間之町出身
ロシア文学者。箏曲・三弦で人間国宝の文子は妹。
文学に関心を抱くのは、高梁中学に進学してからで、雑誌「文章世界」を愛読し、これに投書をはじめた。カボチャの花からとって黄花を号にしていたという。
ロシア文学翻訳では世界的にも質量とも最高と評価される。
『ドストエーフスキイ全集』(河出書房版)は1953年(昭和28)に読売文学賞を受賞。『ドストエーフスキイ研究』『ロシア文学史』などのほか、随筆集『酒・音楽・思出』(1940年)、自伝『鈍・根・才』(1959年)の著作がある。<ふるさとに旅びととして我くれば水の音さえさびしかりけり>と故郷への思いを歌にしている。

宇野弘蔵
1897・11・12〜1977・2・22(明治30〜昭和52)

倉敷市出身
経済学者。1915年(大正4)高梁中学校卒業。
マルクス経済学の<正統派>に対する<宇野派>として独自の経済学体系を提唱したことでしられる。
著書に『経済政策論』、『農業問題序論』、『価値論』、『経済原論』、『恐慌論』、『「資本論」と社会主義』ほか多数があり『宇野弘蔵著作集』(全10巻および別巻1)にまとめられている。